「物語」とはなにか

2007/7/27, 2:45 by Gen

 「物語」というキーワードは便利で、医学的に非合理的な要求をしてくる患者さんなんかを揶揄して「Story Based Medicine(SBM)の時代だよなぁ」なんて言われているみたいだし、わたしも「物語」という概念が大好きでよく使うんですが、そもそも、人間のアイデンティティを説明する場合に便利な「物語」という概念はいったいどういうものであるのか、若干掘り下げてみたいと思います。人間が「物語」を必要とする認知的・進化的な背景については、「心と意識のまとめ」というエントリーを参照してください。今回は、『自己への物語論的接近』の内容を簡潔に整理してみます。まとめで力尽きたので、コメントは次回以降で。なお、具体例・下線部は引用者が勝手に考えたもの。

 同書の著者、浅野さんによれば、まず、物語は3つの特徴をもっているという。

■物語の特徴

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エロスの東京/新宿

2007/7/10, 3:44 by Gen

 Economistの都市レポートを紹介してきたわけですが、そこには何かが欠けている、と強く感じた。わたしたちが都市に一番期待しているものが欠けていた。そう、物語が。いや、正しくは、妄想が。この世の中を語る(=因果関係の説明を占有せんとする)とき、つねに2つの力がせめぎ合っている、とわたしは思う。

 一方には、公正さへと世界を開く語りがある。学問やジャーナリズムは「正しさ」にこだわり、世界をよりフェアなものにしようと企んでいる。だが、それだけでは、物足りない。何かが満たされない。世界はもう一つの語りを必要としている。妄想の深みへと世界をいざなう語りを。エロスの身体を剥き出しにする語りを。トンデモと科学の区別が意味を失う地平にて。正しさや公正さなんて糞食らえ。小説でもアートでも、フロイト的な精神世界でも良い。志賀直哉ではなく三島由紀夫が、カントではなくニーチェが、そしてルーベンスではなく岡本太郎が必要とされるとき、都市はもうひとつの姿をあらわす。わたしたちは東京を奔放に語る、中沢新一を必要としている。

black and white

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