文系的株入門part.1

2007/6/16, 3:10 by Gen

 基本的に友人に向けて書いたものなので、株に興味のない方はスルーしてください。株式投資を行う上で、初心者レベルに達するためには、だいたいどのような知識領域が必要なのかを概略として示そうと試みました。時間的制約から、あくまでさわりの部分だけ説明するので、残りの部分は参考書籍を当たってください。あと、知らないキーワードは面倒くさがらずにググって理解を深めてくださいな。次回の記事の末尾に、初心者が読むべき本のリスト&読むべき順番を書いておきます。ガイドとしてどぞー。

 「株はうさんくさいし手を出すつもりはない」。まっとうな意見。大賛成。猿でも儲かる投資環境だった2005年のような例外はあるものの、基本的には、個人投資家の9割が大切なお金を失ってマーケットから去っていく。株ブームが煽られ、若くして億を稼いだデイトレーダーがテレビを賑わせる。しかしそれは罠なのだ、「相場の肥やし」を絶やさないための。

 それでも「株」と聞くとなんとなく気になる人に向けて書く、株入門。やるつもりはないが、まったく知らないのも癪にさわると言う人向けの、文系的株入門。


■なじみあるものに安住せず、視野を広く保つこと

 投資といえば株、それもたとえば三井住友銀行やドコモなどのなじみある企業の日本株、となりがちだけれども、個人的には、日本株への投資はあまりオススメしない。なぜなら、日本のマーケットは、投資対象としての魅力に乏しいから。人口減の社会で、国内経済がこれから持続的に成長していくとは考えられない(いくら生産性が向上しても、良くて横ばいだろう)。同じ先進国とはいえ、人口が未だに増加し続けているアメリカと日本の経済環境は、全く異なることを認識する必要がある。日経平均株価やTOPIXは、右肩上がりの上昇を続けているわけではないし、今後それらの指数が2倍になるということは考えにくい。日本の株式市場は、「労多くて得るもの少なし」なマーケットなのだ。日本株に限定して狭い投資を行うと、大抵の場合「退場処分」となってしまう。世界に向けて視野を広く保つこと。(もちろん、少額の資金で「勉強として」投資を行ってみたいという場合は、日本株から始めても良いだろう)

 世界に視野を向ける場合、まず考える必要があるのは、「アセットアロケーション」というキーワードだ。つまり「資産をどこの国の、どの市場に、どれだけの比率で組入れるのか」 を熟考することからはじめる必要がある。これが投資の基礎の基礎だ。投資を行う際、大まかに考えて、6つのアセットクラスが存在していることを常に意識しておく。

 1.流動性資産(=現金)、2.日本株式、3.日本債券(=国債など)、4.外国株式、5.外国債券、6.その他(=不動産・REIT・為替・金など)。

 それぞれのアセットクラスには、それぞれのリスクがある(表を参照;『内藤忍の資産設計塾実践編』より)。まず、各アセットクラスと各リスクの関係を理解する。リスクを取らなければリターン(収入)はない。個人の裁量と投資戦略に応じて、為替リスク・価格リスク・金利リスクをそれぞれ取っていくことになる。各アセットクラスに自分の総資金を細かく配分することで、リスクを抑える(分散投資する)ことができる。ここでの戦略立案が極めて大事だ。もちろん、手持ちの資金が少ない場合、分散投資は難しいだろう。だが、日本株は数多くある投資対象のうちあくまで一部であることを認識するかしないかで、投資の結果は大きく変わってくるだろう。現時点で個人的には、4.の外国株式、それも中国市場にかなりのウエイトを置いている(註:上海市場はダメ。あくまで香港市場に)。無責任なことは言えないが、怖がらずに発展途上のマーケットに投資した方が、良い結果を得られる確率が高い(市場平均株価が右肩上がりのマーケットに投資した方が「安全」なのだ)。

 【深めるには】1.「アセットアロケーション」でググって出てきたサイトを上からいくつか読む。2.アセットアロケーションに関して初心者レベルの知識を手早く得るために、『内藤忍の資産設計塾 実践編』を読む。3.国際的なマネーフローの感覚を身につけるために、「おかねのこねた」と「いちカイにヤリ」を定期的に、過去記事も含めて順に読む。4.各アセットクラスは連動している。各アセットクラスの相互作用への感覚を養うために、マクロ経済学の基礎を勉強する。とりあえずは細野の経済本の世界経済編でもok。専門的には、伊藤元重さんの『ゼミナール国際経済学』などが良いのでは。

では具体的に株式投資は
 株式投資っていったいどんなものなのか、流れを大まかに知る(=チェックすべきポイントを知る)には、『ジムクレイマーの株式投資大作戦』を読むと良い。うさんくさいタイトルの本だが、初心者にとっては、ありがたき名著だ。これで株式投資におけるだいたいの実践感覚が養える。

 とりあえずその本を読んでくれ、で終わらしても良いのだが、それでは酷いので、日本株の株価を決める5つの要素を描いてみたい(次回に;もう原稿は書き上がってますが)。それぞれの項目について理解を深めて欲しい。関連書籍も挙げておいた。いわば、初心者レベルのチェックリストとして使って欲しい。

 初心者が注意しておくべきこととして、「株価は将来を織り込むものである」点があげられる。株価は常にすでに将来を織り込んだ存在なのだ。現在の株価は半年先の景気状態を反映するといわれている。たとえば、スティールパートナーズの動きがニュースで伝えられてから関連銘柄を買っても遅い。情報を先読みし、関連銘柄は昨年後半に仕込んでおく必要があった。「ニュースが出たらおしまい」なのだ。

 また、初心者には長期投資が向いている、というよくある話は嘘だ。たしかに、中国やインドのように、経済が持続的かつ強力に成長し続けている市場ならば、その神話は当てはまるのかもしれない。しかし、日本の経済には、それほど成長余地が残っていないのだ。日経平均株価はバブル期の最高値をいまだに更新していないのだ。だから、初心者は中期的投資(数週間から2年程度まで)を心がけると良いだろう。

 日本株に投資する場合、どの市場の株を買えばよいのか。国内の主立った市場として、東証1部、東証2部、JASDAQ、東証マザーズ、ヘラクレスが挙げられる。初心者は東証1部の株以外に手を出してはいけない。東証1部以外の株は、基本的にボラティリティ(価格の上下変動幅)が高すぎるからだ。また、たとえばヤクザのフロント企業だったり、うさんくさい企業が多すぎるからだ。東証1部以外の市場では、たとえ優良企業でも株価が半分に落ちたりする。新興市場(JASDAQ、東証マザーズ、ヘラクレス)は悲惨な状況だ。会計不信がはびこっているからだ。悲惨な状況ということは、逆に考えればチャンスなのだが、とにかく初心者は手を出してはいけない。くれぐれもご注意を。

>>>文系的株入門part.2へ続く

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  1. GS 日本株っていいですね | 株式投資研究所まとめサイト Says:

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