iPhoneは技術的に時代遅れのデバイス?

2007/6/30, 1:53 by Gen

 Appleの革新的な携帯電話、iPhoneが発売されたようですね。ふと、3月のEconomistに載っていた記事を思い出してしまいました。もちろん、iPhoneの革新性は、iTunesなどのソフトウェアやアップルが提供する諸々のシステムと組み合わせてはじめて本領を発揮するのでしょう。デザインも含め。その意味では、たしかにAppleしか作れない製品です。でも、Haptics(触覚学)という観点から見れば、iPhoneはいかにも物足りないデバイスであるようです。

 これには納得。というのも、高校生の頃、J-PHONE(現softbank)のタッチスクリーン型の携帯電話を使っていたことがあるから。たしかパイオニア製だった。iPhoneと同じく、その携帯電話にボタンは一切無く、画面上にあらわれる数字表示やカナ表示を押して入力する形式だった。非常に使いにくかった、かったるかった。画面を押しても(物理的ボタンを押す場合とは異なり)クリック感がないんですよ。だから、押し間違いが頻発した。

 この記事は夢を持たせてくれます。以下、かいつまんで抄訳というか、かなり意訳。詳細に興味をもたれた方は原文を。下線部は、筆者が「おっ」と思ったところ。

How touching

 アップルが発表した新しい携帯電話のなめらかなスクリーンは、ガジェット好きたちの垂涎の的だ。通常のキーボタンの代わりに、この新しい携帯電話はスクリーンを入力デバイスとして利用する。タスクに応じて、異なったボタンやアイコンを画面上に表示することによって。韓国のサムスンやLG電子を含め、ライバルの携帯電話メーカーも、似たアプローチを取っている。こうすると柔軟性は増すが、扱いにくくなるんじゃない?というのも、物理的なボタンを押す場合には微妙なクリック感がフィードバックされるけれども、スクリーン型ではそれがないから。

 だからこそ、サムスンのタッチスクリーン型携帯電話は、iPhoneほど有名ではないものの、より注目に値する。これまでのところ中国国内だけで売られているこのSCH-W559携帯電話は、ユーザーの触覚を騙し、さわったという感覚、物理的なボタンを押したという感覚を生じさせるのだ。スクリーンはまったくフラットであるにもかかわらず。この携帯電話は、触覚技術の最先端を示す一例となっている。

 触覚学は、圧力、さわりごこち、振動やその他の感覚をシミュレートする科学だ。触覚学を利用するデバイスは、これまでにも何十年にわたって存在してきた。たとえば、飛行機の操縦桿は、警告を与える際には振動する。ビデオゲームのコントローラーは、振動することによってプレイヤーにリアリティを与えている。他には手術シミュレーターなどでも、触覚学の技術が使われている。

 携帯電話のバイブですら、触覚学の一例だ。しかし、今日のテクノロジーは、それより一歩先に進んでいる。人々に情報を伝える場合、触覚は、他の感覚が占領されている場合に、特に役立つといえる。[たとえば運転中は視覚が占領されているが、そのときカーナビは音声によって聴覚から情報を伝える。触覚によって情報を伝える技術をより巧みにすれば、視覚・聴覚がふさがっている場合でも情報を伝えることができる。]

 サムスンの新しい携帯電話は、内蔵されたモーターを巧みに利用することによって、あたかも物理的なボタンを押したかのような感覚を与えることができる。触覚による確認[押したという感覚]を与えることができる。

 今日の携帯電話の多くは、触覚的情報を与えるとき、内蔵モーターに頼っている。だが、もっと新しい技術も生まれてきている。skin stretch(皮膚を伸ばす)技術だ。文字通り皮膚をストレッチさせることによって、複雑な形や感覚をマネすることができる。圧力よりも、皮膚に加わる感覚の方が、触覚に大きな影響を与えているのだ。

 人間がテレビを観る場合、RGB(赤青緑)の3要素からから色々な色を観ることができる。同様に、単純に皮膚を伸ばすことによって、さまざまな触覚を生じさせることができる。

 この種の研究の究極の目的は、形・感覚・さわりごこちをシミュレートすることだ。長い道のりだが、いずれは実現できるだろうと研究者は言う。

 ハワード博士の考えは、携帯電話の画面を一切見なくても十分な情報を伝えることができるようにすることだ。誰から電話がかかってきたのか、ポケットに手を突っ込み携帯電話をさわるだけで確認することができる時代がやってくるかもしれない。

Tags 科学/認知/進化/環境/身体 | | 4,319 Views | add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://blog.genxx.com/wp-trackback.php?p=200
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