文系的株入門 ほんねのおまけ

2007/7/12, 0:12 by Gen

  スティールパートナーズとブルドック社の件について、最低最悪な唖然とするほかない糞判決が出た今日この頃、みなさんいかがお過ごしですか。いやもうね、この国は国際的にやっていく気はないのか?と。ブルドックの株主も一体何なんだろう。資産価値をすり減らすの嫌じゃないのかな。そしてスティールは一人勝ち。まぁいいや。過小評価を装われていたサブプライム問題の懸念も再発してますね。臨場感が伝わってきます質への逃避、なんでしょうかね、たしかに。ドルは急落。今日はかなり買いポジションを整理しました。香港市場については、買いたい向きがたくさん待ちかまえているので、調整は小さなものに留まる気もしますが。まぁ。

 文系的株入門part.1part.2part.3part.4finalのおまけを。以前の記事で書けなかった、実戦的で具体的で泥臭いはなしをちょこっと。ホンネで。リアルに株や投資信託をはじめたいと思った場合のtips。自分のはずかしーい失敗談も含めて。

■ とりあえずイートレード証券に口座を開くべし。料金の安さと取引システムの安定性のバランスが一番良いから。手持ちの資金が少ない場合は、海外口座を他社に別途開く余裕はないだろうし、イートレードにしばらく資金を一元化するとよいと思う。国内株はもちろん、多くの投資信託やETF、そして(手数料は高いが)外国株を直接買うこともできる。自分のメイン口座でもある。ちなみに、本当にイートレード証券で口座を開設される方がいたら、口座紹介キャンペーンでお互い2000円もらえるので、ぜひわたしにご一報をw

■ 野村證券のヴァーチャル株取引サイトみたいなのは、基本的に、時間と労力の無駄。実際に自分のお金を賭けないと真剣になれないし、取引システムも実際のものと異なるし、また感情的な動揺も違うから。実際の車の運転と、ゲーセンのリッジレーサーくらいの差がある。株をはじめるときには少額から。たとえば500万円資金があって、いきなり500万円全力投資するのは愚かな行為。それは若葉マークでフェラーリを運転するようなもの。まずは中古の国産車で慣れてから、いい車を買うべし。一概にはいえないが、目安として、30~100万くらいからはじめるのが良いのでは。

■ 証券口座を開設したら、チャートやローソク足の見方と、売買方法の基本的なレパートリー(成行、指値、逆指値、不成など)をぱっと覚えてしまおう。3時間あれば記憶できる。解説はネット上にごろごろ転がっている。

■ ここここにも絶対一通り目を通しておいた方が良いと思う(入門記事のカテゴリー)。ヘッジファンドの第一線で相場を張っているプロが書く入門記事は質が違う。山崎元さんの記事もおすすめ。

■ デイトレードはオススメしない。ひとえに、株にかなりの時間を捧げることになるから。専業投資家になる覚悟がある人以外は、朝9時から15時までパソコンに張り付くべきじゃない。本業を大事に。かといって、いきなり長期投資を始めると、長期放置になりがち。だから、初心者には、少額で、短期~中期投資(数日~数ヶ月)をオススメする。お金は損するかも知れないが(むしろその覚悟で;あくまで「少額」投資で)、その間に、最大限に学ぶべき。資金管理(売買ルールを決め、そのルールを感情によって絶対に破らないこと)の方法を身につけたり。

■ 2chに市況1という掲示板があるのだが、初めのうちは、ここを活用すると良いかも。もちろん、2chの情報を鵜呑みにするのはアホだ。ポジショントークばかりだから。ほとんどゴミくずな情報ばかりだ(Yahooファイナンスの掲示板は輪をかけて酷い)。でも、はじめのうちは、スレッドを読むと、市場の平均的個人投資家がだいたいどのような情報に注目しているのかがわかる。CMEだったり、外資の売り動向だったり、FOMCの声明だったり、アメリカの雇用統計だったり、クレジットのスプレッドだったり、米国10年債の金利だったり。強弱材料も参考に。それを踏まえた上で、裏をかくことを考えていく。

■ 投資技術を磨きたいとかの理由を抜きに、本当にただお金を増やしたいだけならば、ETF(市場平均連動型の取引所で取引される投資信託)を取引するとよい。個別銘柄をえらぶとものすごく勉強になるのだが、労力の割に報われることが少ないし、初心者はたいてい損を被るから。そして、(ETFではない)普通の投資信託は、概して手数料が高いからダメ。どうしても投資信託が良いならば、ノーロード(買付手数料無料)のものを選ぶ。ファンドの投資対象が同じな場合(たとえば日本株かつグロース株といった具合に)、投資信託の成績なんてどの会社でも大差ないから、とにかく手数料の安さ第一主義でファンドを選ぶ。ここらへんの話は「ホンネの資産運用セミナー」という良質なBlogに詳しい。

■ これはわたしの独断と偏見だが、ETFや投資信託を買う場合(つまり市場平均に投資する場合)、日本株を選択しちゃ絶対にダメ。GDP成長率の見通しが低い国(下図参照)の市場平均は持続的に伸びません。日本株は、平均すると、勝率の期待値が低すぎる。日本株の投資信託を買うのは最低最悪の行為。一番のおすすめはやっぱり香港市場。Etradeで扱っている、香港市場型の投資信託で、買付手数料無料(=ノーロード)のものは、「三菱UFJ-チャイナオープン」か「DIAM-中国関連株オープン(チャイニーズ・エンジェル)」。香港、アメリカなど、外国株のETFや個別銘柄を買う場合には、「外国株式取引(及び付随する為替取引)」を別途申し込む必要がある。つまりETFを買うときは、まず円を海外通貨に替えてから売買する必要がある。ちなみに、開設料・管理料ともに無料。面倒くさい方は、先述した、ノーロード投資信託で良いかも。

■ 国内株を買うならぜったいに個別銘柄を。国内株のETFや投資信託はムダ。で、勉強のチャンスと捉えて、ひとつのなじみの銘柄を通じて決算書アレルギーを克服すべし。よほど自信があるとき以外は新興株・東証2部株に手を出さない。つまり基本的に東証1部で。国内株の個別銘柄売買に関して、わかりやすく、うさんくさくなく、理知的な解説をしてくれるのは中原圭介。『株式市場「強者」の論理』は目を通すべし。株式市場は戦場であり、初心者が戦う相手は百戦錬磨の機関投資家であり、やつらは死ぬほどえげつない。そのことを知ろう。(中原さんのBlog

■ おそらく初心者は中原圭介みたいなタイプの評論家に入れ込みがちだ。明快に、論理的に、おだやかに、データに基づき、胡散臭くなく、業界の汚さを熟知して、柔らかい物腰で語る彼みたいなタイプに。というか、わたしが投資家としてヒヨッコだったころ、彼(と彼の理論)を必要以上に信頼してしまった。今思えば死ぬほど恥ずかしくアホだったなーと思うのだが、月2万円も払って、彼がやっている、会員100人限定のメルマガを購読していたことがあった。‥愕然ですよ。彼は自分のポートフォリオを公開していたのだが、その成績は悲惨なものだった(-40%くらいのドローダウン)。

■ 彼は読み違えた。読者から高い購読料を取るわけだから、市場平均(日経平均やTOPIX)の伸びを大きく上回る成績を残さなければならない。だからボラティリティの高い新興市場株に手を出した。それが誤りのはじまりだった。もちろん、その株のファンダメンタルは良好で、成長率は高く、その企業は中国に進出しており、将来の事業見通しもかなり明るかった。でも新興市場に手を出した時点で失敗だったんだよ。いくら有望に思える銘柄でも、地合い(市場平均)に勝つことは難しい。新興市場がダメなときに、ファンダメンタルを盲信してしまったのだ。企業の良好なファンダメンタルは、値上がりする株の必要条件だが、十分条件じゃない。(もちろん、「人の裏の道を行く」ことが投資の原則であるならば、そう遠くないうちに、新興市場株を拾い始めるべきなのかもしれない)

■ 教訓はいろいろある。1.どんなに専門家がプロに見えても、他人に頼っているかぎり投資は成功しない(思考プロセスを参考にするのは良いが、推薦銘柄系の話に乗るのは絶対ダメだ)ということ。2.彼の本を読んでもらえればわかるが、彼の理論は明快で知的だ。そして実際彼の本は初心者にいまでもかなりオススメだ。でも、そんな彼でも、マーケットに勝つことができなかった。なぜか?マーケット選びを間違えたからだ。極めて極めて優秀な売買技術を持っていないかぎり――そしてそんな技術を持っている人は絶対に本(ネタばらし)など書かないのだが――相対的に環境の悪いマーケットで、個別銘柄をうまく選ぶことを通じて、良いパフォーマンスを上げることなどできない。2006年は、黙ってインドや香港の市場平均に投資しておけば良かったのだ。ETFや投資信託を通じて。

■ もちろん、中国の経済成長率が著しく高いからといって、毎年香港株が高いパフォーマンスを上げてきたわけじゃない。ダメな年もあった。だが、長期的に見れば、中国株はまちがいなく日本株より高いパフォーマンスを示すだろう。自分を含め多くの凡庸な投資家にとって、日本のマーケットで個別銘柄をうだうだ弄っている時点で、勝率はかなり低く、退場の見込みはきわめて高いと思う。かつての日本の高度経済成長期のように、高い経済成長率が持続しそうな国の市場平均に、アセット・アロケーションによって分散投資するのがベストだと思う。ある国の市場平均PERが高くなりすぎたらウェイトを落として、市場平均PERが低い他の国のウェイトを上げればよい(タクティカル・アセット・アロケーション)。

■ 短期・中期の投資をするならば、個別銘柄の中身は二の次。日経平均が下がるときには、概して、トヨタだってドコモだって任天堂だって株価は下がる。日経平均の動きを決めるグローバルなお金の流れを把握することにまず心血を注ぐべき(もちろん、それでもファンダメンタルが良好な株を買うことは最低条件だが)。国際的なマネーフローから、売り買いするタイミングを計る。次にセクター動向に目を配る。海運セクターが強いときはどんな海運株だって上がる。国債マネーフローについては、時間がないならば、「おかねのこねた」「いちカイにヤリ」「ウォールストリート日記」などを定期的に読んだりして(ぐぐってちょ)。セクター動向については、うーん、「虎年の獅子座」さんあたりかな?あとはFISCOのレポートとか。まぁ、有名どこで有意義なマーケット解説系のBlogはだいたいamourixの投資専用アンテナに網羅してあるので、一通りクリックして、フィーリングが合うサイトを定期的にチェックしてみてくださいな。

■ で、いまの自分は、国内株をいじるときはイベント投資・短期投資中心で個別銘柄を扱っています。で、香港株・NY株・インド株・ロシア株・ブラジル株は、中期投資用のETFを中心に、ところどころ短期投資用の個別銘柄を散りばめながらいじってます。ベトナム株やトルコ株はファンダ的に怖すぎるから手を出さないと決めている。タイ株は検討中。米国株については悲観的な見方を持っています。役に立ったのかはわかりませんが(註:この記事は独断と偏見で書いた点に注意)、まぁ、お互い退場処分を食らわないように生き延びてゆきましょう。ではでは。

Tags 経済/投資 | | 5,428 Views | add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://blog.genxx.com/wp-trackback.php?p=197
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2 Responses

  1. がんちゃん Says:

    どうもです。

    >野村證券のヴァーチャル株取引サイトみたいなのは、基本的に、時間と労力の無駄。実際に自分のお金を賭けないと真剣になれないし、取引システムも実際のものと異なるし、また感情的な動揺も違うから。実際の車の運転と、ゲーセンのリッジレーサーくらいの差がある。

    野村證券のバーチャル株取引サイトで株取引をしてる身として、これには激しく同意です。実際に自分のお金を投資していないので、なかなかコミットできないんですよね。真剣さがだいぶ欠けちゃってます。もちろん、実際に株取引をしたいんですけど、何せ投資するだけの金銭的余裕がないんですよね。てか聞きたいんですけど、一般的な目安として、投資するにあたっての最低資金てどのくらいなんですかね?

  2. Gen Says:

    がんちゃん、ども。

    >一般的な目安として、投資するにあたっての最低資金てどのくらいなんですかね?

    早い話が、ある企業の株を買えれば、株式投資は成り立つわけです。

    1.国内株・個別銘柄の場合

    投資資金(元出)が少ないと、買える株の範囲がかなり狭められますよね。それは大きなデメリットかも。株価×単元株数から判断して、たとえばトヨタ自動車の株を買いたいならば、現時点で7640×100=76万4000円必要になる。一般論からいえば、優良企業・国際企業の株に投資する場合、100万近く必要になるわけです。他方、たとえばニトリの株ならば、6340×50=31万7000円。SBIホールディングスにいたっては、39700×1=3万9700円。でも、この企業は‥。新興市場は、少ない資金で買える株が多いけれども、手を出すのはあまりオススメしないです。

    独断と偏見でいえば、うーん、30万円貯めるまでは手を出さない方が良いと思う。それまではバイトに励むべし。もちろん、10万円以内で買える優良企業(将来大きく成長しそうな企業)をじっくり探すのも大いなる勉強にはなりますが。

    2.ETF、投資信託中心の投資を行う場合

    この場合、1~3万円からはじめることができる。毎月こつこつと積み立てていく、という方法論もある。もちろん、はじめは個別株投資やりたいとは思いますが。

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