地球温暖化を阻止するための、その1

2007/2/10, 23:18 by Gen

 今年は本気暖かいすね。北海道のタクシーの運ちゃんも「40年ぶりかなぁ」とか言ってるらしいですよ。グローバルに温暖化を阻止するために、何よりも必要なのは、アメリカが重い腰を上げること。最近、国家的政策として「対テロ」一辺倒だったアメリカが、温暖化問題を国家的政策に据えようとしているらしい。この前のブッシュの演説で、はじめて温暖化問題が主要な議題として取り上げられましたね。その背景を探ったEconomistの記事“The greening of America”(リンク先有料)より要点をメモしておきます。各プレイヤーの動きを整理。

 ホワイトハウスが温暖化問題から目を背けているうちに、アメリカ国内で温暖化への関心が高まってきた。第1に、大きなきっかけとなったのは、深刻な被害をもたらしたハリケーンのカトリーナ。科学者の警告は白々しかったが、具体的に破壊された都市の姿を見て、人々は動揺した。何かをしなければ、という気持ちになった。――まさに物語的思考モードが刺激されてしまったわけですね。

 第2に、ビジネス界の、環境規制に対する態度が変わってきた。かつては自分たちの不利になる環境規制など止めてくれと叫んでいたが、次第に、環境をめぐる技術の場こそがビジネスのフロンティアとなり得ることを認識してきた。――たしかに、今ではハリウッドスターのステータスは「プリウスに乗ること」らしいですからねぇ。

 第3に、安全保障上の問題で、タカ派の人たちも温暖化問題に対する関心を高めた。もっともこれは、「真の安全保障とは地球を守ることだ」という「人間のための安全保障」的観点からではなく、「中東の石油に依存し続ける限りアメリカの安全保障は危うい」というタカ派的なエネルギー安全保障という観点からのもの。第4に、農家が温暖化問題への関心を高めた。なぜなら、石油の代替エネルギーとして注目されているエタノールの需要が高まれば、彼らが生産するトウモコロシに高い値段が付くことになるから。第5に、キリスト教のevangelicals(福音主義者たち)が温暖化問題に注目しはじめた。「神が創りたもうた地球を大切にせよ」というわけ。

 各勢力が、各々の関心に基づいて、地球温暖化問題に注目してきたまさにその時、ブッシュ自身も、彼自身の利害関心に基づいて、温暖化問題を国家的政策として取り上げはじめた。イラク戦争を通じて最低となった支持率を回復するため、そして(中間選挙を経て)民主党に支配されてしまった上院・下院と共通の歩調を取っていくために。

 このように、それぞれがそれぞれの利益を追求することを通して、温暖化問題に国家的に取り組む道筋が出来てきたのだ。これはとてもとても大事なことだと思う。なぜなら、倫理観で救う地球は脆いから。アート(芸術)だって、ボランティアに支えられているうちはまだまだ未熟で、純粋に楽しいから・ディズニーランドよりも魅力的だから展覧会を観に行きたい!と思わせられなければダメなのだ。

 さてその記事では、懸念材料として、タカ派的なエネルギー安全保障の観点がいくぶんか温暖化問題解決への取り組みを邪魔していることが挙げられていた。石油を減らしエタノールに頼るのは良いが、エタノール一辺倒すぎて、他の効率的な解決方法がないがしろにされている、というわけだ。とにかく、ブッシュが教書演説で温暖化問題を取り上げてから、温暖化問題に関するニュースがめっきり増えた。G7でも主要議題として取り上げられるという。――「地球全体のため」という安全保障の観点、そして真の利益とは地球自体を守ることだという観点、社会的ジレンマを脱した観点、これらが育まれることはあり得るのだろうか。一歩一歩、進んでいくしかないのだろう。

Tags 国際関係, 科学/認知/進化/環境/身体 | | 2,572 Views | add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://blog.genxx.com/wp-trackback.php?p=166
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