London来てます

2006/12/23, 23:17 by Gen

 ロンドンが「来ている」そうな。ここ最近、ニューヨークの活気が次第にロンドンに移ってきたという種の話をいろんな人から聞いた。「ロンドンはニューヨークを抜くんじゃないか」という話まで出てきているという。何故かと思っていたら、その背景をうまくまとめたAPの記事を見つけたので、いくつかメモしておこう(Jana Wardell)。

 

  活気の最大の背景は、徹底した市場主義をイギリスに持ち込んだサッチャー元首相が1986年に行った大規模な金融緩和以後、ロンドンが国際金融マーケットにおける存在感を(再び)増してきたこと。すでに、為替や債券ではロンドンのマーケットが世界一重要だったりする。金融市場における規制がアメリカよりも緩いのだ。第2に、アメリカよりも移民に対して柔軟な姿勢を取っていることも活力の一員となってきた。アメリカは、特に9.11のテロ以後移民に対して閉鎖的になっている。またイギリスはEUの一員でありながら、EUに対して一番懐疑的な立場を取っているため、EUに加盟している他の国々よりも閉鎖的でないこと(EUは加盟国間では開放的だが、加盟国でない国々に対しては強烈に閉鎖的であり、ブロックの外からの移民を何とかして排除しようとしている)。第3に、イギリスでは「経済的愛国主義(economic patriotism)」が比較的見られないこと。アメリカは一見開放的なように見えて、実はものすごく経済的愛国主義が強いため、ある種の閉鎖的側面を持つ(貿易摩擦の一件を想起せよ)。フランスやドイツが経済的愛国主義の趣を持つことはご存じのとおり。日本みたく「外資に乗っ取られる」「ハゲタカがやってきた云々」とくだらない騒ぎを起こすこともない。第4にライフスタイル面における先進性が際だってきたこと。たとえばアート界においてもイギリスはプレゼンスをますます強めている。第5に、エグゼクティブのニューヨークからロンドンへの移住(relocation)が目立ってきていること。そして最後に、2012年にロンドン・オリンピックを控えていること。

 自らを開放すればするほど、そして「異物」を体内に取り入れれば取り入れるほど、活力は増し、結果的に影響力を強めることを見事に例証している。もちろん、アメリカが自らの身体を閉じはじめたのには、テロリズムの跋扈という理由があった。また、移民を受け入れた社会は、軒並み社会的アイデンティティの危機と深刻な葛藤を経験してきた。つまり、開放における活力と脆弱性はオモテウラだ。とにかく、開放にまつわるネガティブな語りの背景には、実はポジティブな側面も潜んでいることを想像し続けることが肝要だろう。逆もまたしかり。必ず善い政策、必ず悪い政策なんてほぼ存在せず、結局は「バランスの取り方の問題」である場合が大多数なのだから。真実は中庸に宿るほかない。‥久々にロンドン行きたいなぁ。

 それではみなさん、素敵なChristmasをお過ごしくださいね。
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Tags 国際関係, 経済/投資 | | 2,426 Views | add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://blog.genxx.com/wp-trackback.php?p=165
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