不平等とは

2005/9/5, 14:45 by Gen

 トイレで読んでいた『経済学という教養』より、なるほどスポットを抜粋。市場原理における「不平等とはなにか」を考える際に、極めて大切な視点だと感じる。

 不平等な状態にも二種類あって、一つは「弱肉強食」、恵まれた者の富は弱者からの搾取によって購われていて、弱者の状態が絶対的に悪化しているようなものであり、いま一つはそれとは違い、富者の富は貧者からの搾取によっておらず、富者がより豊かになったからといってそのせいで貧者が(絶対的な水準では)貧しくなることはなく、かえってより豊かになることもある、という、いわば「共存共栄」の状態である。新古典派経済学によれば、市場経済は不平等それ自体は回避できないものの、それを「共存共栄」の範囲にとどめるシステムなのである。

 しかしながら現実には、市場経済は「弱肉強食」の状態に陥ってしまうことがある。代表的なものは「不況」である。この不況を引き起こす原因は多々あるが、おそらくその中で最も重要なファクターは貨幣である。貨幣が適切に供給されていなければ、市場経済は不況に陥り、「共存共栄」は実現できなくなる。そしてこの貨幣供給というタスクの責任を、個人や一般企業などの個別の経済主体に負わせることはできないのだ(この問題提起がケインズの貢献である)。

 [中略] 市場経済批判者は自分がなにゆえに「不平等」を好ましくないと考えるのか、よく吟味するとよいだろう。「弱肉強食」を否定しつつ、ある限度内での「不平等」は容認するという立場には、何ら不整合なところはない。

 景気回復には構造改革よりもなによりも、(人びとのタンスに眠っているお金を引き出させ)需要を喚起する=いまお金を使わないで貯金しておくと、実質的な価値が目減りするよと圧力をかける=インフレ期待を高めることが大切、というまぁリフレ政策的な立場にどうしてもコミットしてしまうわなぁ。

Tags 経済/投資 | | 2,363 Views | add to hatena hatena.comment 0 user add to del.icio.us 0 user add to livedoor.clip 0 user |  http://blog.genxx.com/wp-trackback.php?p=139
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (No Ratings Yet)
Loading ... Loading ...


 Amazon Related Book Search

Leave a Comment

Please note: コメント欄で引用をおこなう場合に、blockquoteボタンを利用されると便利です。スパムフィルターが設定されているため、管理者の承認があるまで投稿が反映されない場合があります。気になる場合はamourix@gmail.comまでメールでお知らせください。