2007/7/14, 4:34 by Gen

男性の勃起ないし射精には、いろいろなとらえ方がある。たとえば、「俺もう我慢できない!」といったように、勃起や射精を、生物学的な生理現象だと見る視点がある。生理現象としての射精は、生理現象としての排泄をアナロジーとして語られることが多い。「ヤリマン」や風俗嬢が「肉便器」と呼ばれるとき、このアナロジーが作動している。射精は排泄行為とされるのだから、セックスは女性を辱めるものになる。辱められているのに声を出して感じる女性は淫乱な存在だとされ、「暴力的に女性を支配するけれども、女性はそれを喜ぶ存在なのだ」という言説が誕生する。
ところが、男性はセックスや勃起や射精を恐れてもいる。あるがままの生理現象としての射精や勃起は、男性の自尊心(男性性)を満たさないのだ。女性を感じさせたりイカせたりすることのできない男性は「男失格」の烙印を押されてしまう、という恐怖感につねに苛まれている。女性を「悦ばす」ことのできるテクニックを持っていることが、男性性の必要条件だとされる。男性は、「生理現象としての」勃起や射精を、自らの意志でコントロールしなければならない。ところが、自らの意志にかかわらず勃起や射精してしまったり、あるいは自らの意志にかかわらず勃起や射精しなかったりする。早漏や遅漏への恐怖、インポへの不安、短小包茎への罪悪感。射精や勃起が、先述したように生理現象であるならば、男性がそれらをコントロールできないことになる。しかし、男性はそれらをコントロールしなければならないと同時に感じてもいるのだ。
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2007/7/12, 12:37 by Gen
古本屋で手にした『セックスなんてこわくない――快楽のための7つのレッスン』(田崎英明)がかなり面白い。ラカン、フーコー、フロイト、その他社会学の理論を主要なバックボーンとして恋愛とセクシュアリティの自明性を(強引な解釈をいとわず)ばさばさ切っていく本なのだが、色々と叩き台として使えそうだ。面白いので、この本の章立てを紹介しておこう。オススメ。機会があるごとに、これと自分の身体感覚を混成して色々書いていこうと思う。
1.AVギャルはフレディの夢を見るか?
2.フェラチオのフェノメノロジー
3.エレクトのエコロジー
4.マドンナのSEXをさがして
5.オナニーのオートポイエーシス
6.サディズムのサイバネティクス
7.マゾヒズムのマテリアリズム

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2007/7/12, 0:12 by Gen
スティールパートナーズとブルドック社の件について、最低最悪な唖然とするほかない糞判決が出た今日この頃、みなさんいかがお過ごしですか。いやもうね、この国は国際的にやっていく気はないのか?と。ブルドックの株主も一体何なんだろう。資産価値をすり減らすの嫌じゃないのかな。そしてスティールは一人勝ち。まぁいいや。過小評価を装われていたサブプライム問題の懸念も再発してますね。臨場感が伝わってきます。質への逃避、なんでしょうかね、たしかに。ドルは急落。今日はかなり買いポジションを整理しました。香港市場については、買いたい向きがたくさん待ちかまえているので、調整は小さなものに留まる気もしますが。まぁ。
文系的株入門part.1、part.2、part.3、part.4、finalのおまけを。以前の記事で書けなかった、実戦的で具体的で泥臭いはなしをちょこっと。ホンネで。リアルに株や投資信託をはじめたいと思った場合のtips。自分のはずかしーい失敗談も含めて。
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2007/7/10, 3:44 by Gen
Economistの都市レポートを紹介してきたわけですが、そこには何かが欠けている、と強く感じた。わたしたちが都市に一番期待しているものが欠けていた。そう、物語が。いや、正しくは、妄想が。この世の中を語る(=因果関係の説明を占有せんとする)とき、つねに2つの力がせめぎ合っている、とわたしは思う。
一方には、公正さへと世界を開く語りがある。学問やジャーナリズムは「正しさ」にこだわり、世界をよりフェアなものにしようと企んでいる。だが、それだけでは、物足りない。何かが満たされない。世界はもう一つの語りを必要としている。妄想の深みへと世界をいざなう語りを。エロスの身体を剥き出しにする語りを。トンデモと科学の区別が意味を失う地平にて。正しさや公正さなんて糞食らえ。小説でもアートでも、フロイト的な精神世界でも良い。志賀直哉ではなく三島由紀夫が、カントではなくニーチェが、そしてルーベンスではなく岡本太郎が必要とされるとき、都市はもうひとつの姿をあらわす。わたしたちは東京を奔放に語る、中沢新一を必要としている。

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2007/7/9, 23:42 by Gen
都市化する世界part.1、part.2の続き(これが最後)。経済、政治、文化の側面、そして変動のダイナミズム。抄訳・意訳満載のため、正確性を求める場合はEconomistの原文を。下線部は訳者がintriguingだと感じたところ。

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国際関係,
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