Re: Election

2007/7/31, 19:59 by Gen

 遅ればせながら選挙雑感。ごくごく簡単に。まず、自民党の敗因についてはコンセンサスができているというessaさんの分析は、おそらくそのとおり。組織選挙主体の方法論が崩れつつある(参照1参照2)。小泉改革によって、皮肉にも、自民党が頼っていた土建政治が機能不全に。加えて、安倍首相という政治家への人格不信も大きかった。安倍さんは「小泉改革のもっとも大事な点である「国民感情」のコントロールを軽視」してしまった(参照)。なぜかといえば、安倍首相は、「ただ一方的に自分のことを説明しているだけだから」であり、ある政策を実行する際に、「『そうは思わない』人々に対して言葉を尽くして理解してもらおうというマインドが決定的に不足している」(参照)から。民主党が積極的に票を集めた側面はきわめて薄いと思う。

 個人的には、政治家の人格にそれほど関心が無く、政策ごとに判断しているので、失言とか信認とかはどーでもいいんですが、別に政治家の人格を重視することが悪いとはまったく思わない。そういう判断の仕方をする人がいてもぜんぜん不思議ではない。みんなちがう社会。平野啓一郎さんの「人間性を疑う」発言までくるとちょっとどうかなとは思うが。

 たとえば、教育基本法の改正(道徳教育の法的押しつけ)は全くナンセンスだと思う。でも、自分は自民党を支持している。なぜか?その問題は、自分にとって、政治的関心のプライオリティーがそれほど高くないから。自分にとっては、経済的政策が最優先事項であり、その点で自民党の政策パッケージの方が魅力を感じるから、自民党を支持している。ただそれだけのはなし。おそらく投資をやっているから、考慮する政策の優先順位が変わった。政策ごとに選べればどれほどいいことか。

 教育基本法改正のようなトンデモ案を主導する自民党を支持するなんて信じられない!みたいなことをリベラルな知人になじられたのだが、各人にはそれぞれ政策的優先順位があって、それにもとづいて判断しているはず。自民党を支持したからといって、自民党の全政策を支持したことにはならないし、安倍首相や自民党の政治家の<人格>をまるごと支持したことにもならない。そんな当たり前のことを忘れて、投票した者の<人格>を批判するのは良くない。人格至上主義はやめてくれ。

 みんながバラバラの利害関心をもっている。自分の利益を極大化させるように投票を行う。それで良いじゃん。みんなのエゴを投票行為を通じてバランスさせるのが政治というシステム。だから、自分は、たとえば土建屋が既得権益ズブズブの投票を行ったり、公務員が職を守ろうと民主党を全面的に支持したとしても、批判しようとはまったく思わない。自分のエゴを通そうと振る舞うのが選挙であって、その点を忘れて批判するのは良くないよ、やっぱ。いかに社会的に美しくなくても、選挙では、各人のエゴを通す権利が保障されているのだから。まぁ、批判する(他者を説得しようとする)のは良いのだが、「わたしは○○と思うよ」という形で批判して欲しい。つまり、その批判もあくまであなたのエゴだ、ということを自覚しながら批判して欲しい。リベラルな人間は偉大だと思うが、リベラルな人間はリベラルでない人間に対して極端に非寛容、という難問はある。

 さいごに。個人的には安倍さんは退任すべきだと思うが、彼に、法的に退陣する義務はない。つまりその判断は彼に任されていると思うので、声高になにかを叫ぶつもりはない。自分は、(自民党/民主党という)現状の政党の解体/再構築を促す方向へ政治的なエネルギーを注ぎたいと思う。小さな政府かつリベラル志向な政党を「個人的に」求めている。

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「物語」とはなにか

2007/7/27, 2:45 by Gen

 「物語」というキーワードは便利で、医学的に非合理的な要求をしてくる患者さんなんかを揶揄して「Story Based Medicine(SBM)の時代だよなぁ」なんて言われているみたいだし、わたしも「物語」という概念が大好きでよく使うんですが、そもそも、人間のアイデンティティを説明する場合に便利な「物語」という概念はいったいどういうものであるのか、若干掘り下げてみたいと思います。人間が「物語」を必要とする認知的・進化的な背景については、「心と意識のまとめ」というエントリーを参照してください。今回は、『自己への物語論的接近』の内容を簡潔に整理してみます。まとめで力尽きたので、コメントは次回以降で。なお、具体例・下線部は引用者が勝手に考えたもの。

 同書の著者、浅野さんによれば、まず、物語は3つの特徴をもっているという。

■物語の特徴

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Election

2007/7/21, 8:38 by Gen

 ムダに重くなったのと白背景は目が痛いので、デザインをいったん戻し。選挙近いっすね。「安倍政権の倒閣を企てた官僚たちの二重クーデター」なんて田原総一朗がいってるけど、本当のところは誰にもわからない。というか、証拠が出るまでは、皆が誰も信用できない。だから、自民支持者は田原の分析にうなずくし、民主支持者は田原をトンデモだとけなすし、埒があかない。アジテーション合戦になるだけ。つまり、真偽未確認のものを巡ってあれこれ議論してもムダ。「官僚機構は、一つの政治団体である」のは、もちろんそうだろうが。

 かたや、民主党は安倍政権を公選法違反で告発。あまりにバカ政党であぜんとする。こんなくだらないことやってる暇があったら、将来に向けてどのようなシステムを構築するつもりなのかを国民にわかりやすく説明することに時間を割け。

 選挙をめぐる報道も、たいていがクズ同然。だれだれが問題発言とか、顔にキズとか、どうでもいいって。どの政党が、将来に向けてどういうシステムを作るヴィジョンを持っているのかをわかりやすく報道しろよ。クズ以下のアジテーション報道満載で食傷。自民党はひどい、でも民主党はそれに輪をかけてもっとひどい。なんで二者択一せにゃならん、というむかつきがものすごいある。政策ごとに選ばせてくれよ、それこそ毎日新聞のえらぼーとみたいなかんじで。

 で、東浩紀さんのこの考え方は、すごく共感できるな、と。誰か工学的なモデルをつくってシミュレートして論文書いてくんないかな。以下はガブル・ガビッシュさんより引用。

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update+付け足し

2007/7/16, 10:33 by Gen

typhoon has gone

plaisir.genxx.comという別館Blogに、音楽・写真・映画のレヴューや、いわゆる普通の「ブログ」的な、日常のよしなしあれこれのゆるい記事を書きためています。plaisir=快楽にフォーカスしてやっていくつもりです。論ではなく感情、科学ではなく宗教で。このブログはどうしても固い内容になってしまうので、もしよろしければご覧下さいね。というか、いろいろとみなさんのオススメのものを教えて欲しいです。

 セキュリティ上の関係で、blog tool(wordpress)のバージョンをアップデートするので、今から1時間ほどおかしな挙動をすると思いますが、何卒ご了承ください。台風一過にセミの声、いよいよ夏が来た!空が高い!サイトも衣替え。

 (追記)一応修復したつもりですが、すみませんが、挙動不審な点を発見されたらコメント欄にてお知らせくださいな。

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思想の罠、あるいは社会学的暴力

2007/7/14, 8:02 by Gen

 「可能性に満ちたセックスを構想する」でいろいろと書いた。でも、脱射精的なセックスが正しい姿だ、と言うつもりはない。普通の射精中心主義的なセックスでも別によいと思う。ある男女がいて、その男女がともにそれ(射精中心主義的セックス)によって幸せを感じているならば、まったく素晴らしいことだ。少なくとも、自分は結構満足している。

 思想の罠。それは、現状とは別のあり方を進んだ考え方であるとし、現状の肯定を遅れた考え方だと見なしてしまいがちなところだ。ある個人、そしてその個人と関係を切り結ぶ他者が、幸せと感じるかどうかが最終的な判断基準であって、いくらデリダであろうとフーコーであろうと、その基準より特権的な立場に立つことはできない。田崎さんの『セックスなんてこわくない』でも、暗黙裏に、射精中心主義を「遅れた」セックスのあり方だとする論調が目に付いた。

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