地球温暖化問題の社会的プロスペクト
温暖化をどのようにして抑制するか。二酸化炭素の排出量削減は優等生的なソリューション。いわば、消極的温暖化抑制策。他方で、ちょっと悪ガキ的な、積極的抑制策も考えられているという。詳しくはEconomistのPlan B for global warming?という記事を読んでもらえれば、アメリカ人らしい発想に驚嘆すると思う。
曰く、”geo-engeneering”という手法を用いて地球をむりやり冷やしてみせるのだとか。たとえば、宇宙のラグランジュ点(重力が釣り合う点)に小型の宇宙船を20mトンくらい浮かべて(パラソルのようにね)、地球に当たる太陽光を1.8%削減しようという計画。NASAは真剣に検討中。あるいは、地球の大気中に粒子をばらまいて、太陽光を拡散させようという作戦(実際に1991年にはピナトゥボ山の火山灰によって地球がcoolingされたことがあったという)。ほかには、海水を空気中にまいて雲を作ってしまう方法。あるいは、砂漠にシートを引いて太陽光を宇宙へと跳ね返してしまう計画。さらにすごいのは、大気中に放出された二酸化炭素を、北極と南極の上にある磁場(オーロラで有名ですね)をコンベアーとして利用し、宇宙まで出してしまおうとする計画(詳しく)。
さて。このように悪ガキ方法論たちにはドキワクさせられるのだが、やはり一番実効性が高いのは、二酸化炭素排出量削減というスキームだ。やはり優等生は強い。優等生について大変分かり易く端的にまとめてある記事を先週のEconomistで見つけたので、抄訳します。「どの代替エネルギーが有望か」といった技術的側面は別の機会に書くとして、今回は社会的側面について。そういえば先週のEconomistは30ページ近い温暖化問題に関する集中リポートが載っていて、すこし辟易したなあ。以下、背景知識の補足、Economist記事の抄訳、コメントの順に。



