都市はひらくか、とじるかpart.1

2007/3/5, 14:42 by Gen

 リリー・フランキーの『東京タワー』、まぎれもなく昨年を代表する作品だ。ただ、彼の小説に通底騒音のようにながれるある感覚が腑に落ちなかったのも事実だ。それは「汚れた街、人が行き違う孤独な街、東京」といった種の感覚だ。そりゃ違うだろよ、と思った。また、若い女の子があの小説を喜んで読んでいるのを見るにつけ、「あんなマザコン小説を涙を流しながら読んでるけど、将来結婚して嫁姑問題に直面してもその感覚を失わずにいられるんかいな‥」と少しばかりシニカルになってしまったのも事実だ。いや、話が脱線した。本筋に戻そう。都市、とりわけ東京は本当に孤独な街だろうか。そして都市で人とつながりの回路を保つには、どのような戦略があり得るのだろうか。

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日本とアメリカの違い――景気の実感、社会の構造、そしてグローバル化

2006/12/9, 21:09 by Gen

 「日本は統計的に景気良くなってるはずなんだけど、実感ないのはなぜだろうねぇ」というニュースが紙面を賑わせている。戦後最長の景気拡大、いざなぎ景気を抜いた、と言われてもピンとこないのはなぜだろうと騒がれている。社会学者・宮台真司は彼のpodcastの中でこう述べた。曰く、1.表面的な理由と、2.根深い理由がある。1.表面的な理由とは、経済学的な理由。たとえば現在の「好景気」は企業の設備投資や外需が牽引しているものであって、内需はそれほど伸びていないから。また乗数効果が浸透しきっていないから。わかりやすく言えば、(バブル期のように)日本での消費活動が活発になって景気が伸びているのではなく、アメリカが好景気でモノをたくさん消費してくれるから、あるいは中国人の所得が伸びてきてたくさん消費をしてくれるから、日本企業はばんばん工場を作り(設備投資)、輸出をすることによって稼ぎを増やしている(外需)。しかし、企業の稼ぎが増えたとはいえ、それにつれて労働者のお給料が増えたとはいえず、経済全体が潤っているわけではない(個人消費≒内需が弱い)。だから、「景気が良い」という実感は薄いのだ、ということ。(まぁ、これは宮台の意見と言うよりは、経済アナリストに共通する認識)

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美が善を代用する

2006/11/25, 21:02 by Gen

 久しぶりに書いてみます‥。九鬼周造『「いき」の構造』を読んでいて改めて思った。安倍晋三のワンフレーズ、「美しい国、日本」って、美が善を代用するという日本の伝統的な価値観に根ざしたものだったんあだなぁ、と。西洋キリスト社会のような超越的道徳価値規準に揉まれてこなかった日本社会では、規範の拘束力を、美しさ/「粋」/わびさびといった美的基準に求めてきた。 善いか悪いかではなく、美しいか醜いか、粋か野暮か、洗練されているか否かが、他者に評価を下す際の倫理的基準となってきた。その延長線上に、現代の、「イケてる」という言葉が成立しているのだろう。「イケてる」という感覚は、「美しい」「粋だねぇ」の現代版にほかならない。何世代か後の日本では、至極真面目に「イケてる国、日本」というフレーズが囁かれているかもしれない。

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科学と学問と真理

2006/2/14, 20:58 by Gen

 たまには大げさなタイトルを冠して。科学は普遍的(不変的)な「真理」を明らかにするのか。これには膨大な研究があるから省略するが(初歩的なところでは理論負荷性の話とか)、科学は、どうやら「真理」という客観的実在を明らかにするものではなさそうだ。では、学問は「真理」を明らかにするのか。これもどうやらそうではなさそうだ。たとえば社会科学では、研究者自らが研究対象に組み込まれてしまっているのだから。 では、学問における「真理」とは何か。うちの盛山大先生いわく、「真理」とは経験的実在ではなく、理念的実在である。学問とは、「真理」という理念につかえる営みの共同体空間である。「科学」とは、(「真理」という理念につかえる)規範的なものであり、事実的なものではない。逆に言えば、「真理」という理念を放棄したとき、科学をはじめとして、あらゆる学問的言説が意味を失ってしまう。

 これはどうやらスッキリしている解決方法。「真理」とは経験的・客観的な実在ではなく、学問(科学)という共同体を支える唯一の規範なのだ。「真理」という価値を探求することを通じて、さまざまな研究が有機的に結びつき、ひとつの共同体――アカデミックな共同体――が成立する。

 事実(~である)と規範(~すべし)は区別しなければならないと、M=Weberも言っている。ところが、この2つを区別しろという命令そのものが、規範的なのである。<事実/規範>という区分が規範的なもののなかで統合されてしまっているのだ。「真理」とは、科学を支える前提条件なのである。うーむ。これに反論したいが、ロジックが見つからない。。

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知人の「ニート」を見ていて思ったこと

2006/1/12, 9:00 by Gen

 ニート問題について思うところをいくつか。第1に、大部分のニートはお金を稼がないが、彼らはお金を稼がなくても暮らせるのだから、彼らに金銭的な援助を行っている人がいるということ。たとえば親であったり。ニートが生まれるのは、「今のままでもとりあえず衣食住満たされて生きていける」のが最大の理由だろう(この「援助者」に焦点を当ててニート問題を研究した例は見たことがない。もっと研究がなされるべき)。いわば、ニートを支える経済的状況がニートを生殺しにしている。働きたいという「切実な」動機が形成されない。欠けていない限り、欲求することはできない。欠けていないのに、欲求しろと社会的に要請されることほど、辛いものはない。自分を肯定できる言葉、自信だけが喪失されてゆく。

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