2007/12/6, 18:40 by Gen

Ricoh GX100 / Light.
遺伝のことを大して理解していないのに、「遺伝が心に影響を与えている」と聞くだけで口角沫を飛ばして噛みついてくる超バカな院生に腹が立ったので、こんな記事を書いていますが。これくらいは前提として共有してくれ。前回の記事では、環境や時間が遺伝子に働きかける側面を紹介し、「遺伝なんだからいくら努力しても一生変わらないねーよ」という遺伝観が必ずしも正しくないことについて書きました。もともと、安藤さんの『心はどのように遺伝するか』から3本記事を立てようと思っていたので、今日はその第2弾です。同著の「遺伝概念をめぐるさまざまな誤解を解く」という項(pp.218-240)は、きわめて有益であると感じたので、その内容を紹介します。第3弾(次回の記事)で、自分の遺伝に対する思想的立ち位置について、書いてみようと思っています。
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2007/12/4, 6:30 by Gen

Ricoh GX100 / Hatsudai / Tokyo.
あっちではなく、こっちを更新するのは本当に久々です。さて、復帰第1弾は遺伝の話です。巷では「遺伝か環境か」なんて不毛な二分論がいまだに囁かれていますが、そもそも、遺伝の影響が歳を重ねるごとに変化するケースが存在することは、あまり知られていません。遺伝の規定性は、時にダイナミックに変動する。「遺伝だから一生変わらないよな」という先入観は、放棄しましょう。「時間的遺伝子」が存在し、「環境が遺伝子に働きかける」側面があるのです。
常識的にいえば、生まれたばかりのときは環境の影響を受けていないので、遺伝的影響が最も大きく、成長すると共に環境の影響が大きくなっていくと思われがちです。ところが、認知能力に関しては、その正反対なのです。ネタ元は、安藤寿康さんの『心はどのように遺伝するか』。
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2007/9/13, 0:34 by Gen

2005年にJR西日本、福知山線の脱線事故が起きたとき、若かりし自分はいろいろと書いた。事故原因と責任を人称(具体的な個人=運転手)に割り振るのではなく、システムとしての原因を考えよう、と。事故調査委員会が出した結論と、それに対するコメントがこちらの記事に載っていたので、かんたんに要点をメモ。やっぱり運転士の責任という結論を出していたのか、という印象。
1.事故調査委員会は、「運転士のスピード・オーバーがこの事故の根本原因だとした」。
2.「この最終報告書が「鑑定書」となって、JR西日本の刑事責任は問われないことになる可能性が高い」。
この記事の筆者が考えるに、
3.「この事故は「脱線」ではなく「転覆」であって、不確定要素をほとんど含まずに、既に提唱されている理論に沿って力学的にその転覆限界速度を求めることができた」。
4.脱線が生じたカーブの半径は304mだった。理論上の転覆限界速度は、106km。運転士が出したのは、105kmをすこし超える速度だった。
5.もしカーブの半径が600mであれば、転覆限界速度は時速148kmであり、事故がおきることはほとんどなかっただろう。
6.「この線路はもともとカーブ半径600mと緩やかだったのに、1996年12月に付け替えられた際に半径304mとなったという。なぜ半径600mを廃止してわざわざ同304mにしたのか、報告書はその意思決定プロセスの分析を放棄している」。
7.さらに、事前に転覆限界速度が運転士に伝えられていなかった。
筆者はこう結論づける。
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2007/7/6, 1:37 by Gen

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2007/7/4, 18:59 by Gen
「心とは」というエントリ、そして「意識とは」というエントリでは、『心と認知の情報学』から、わたしが重要だと感じた点を抜き書きしました。背景知識の無い方にはかなり読みづらかったと思います。そこで、今回の記事では、わたしの言葉によって、両エントリの内容を再構成してみます。この再構成は、社会学的な考察を加える(物語論を考える)ための準備段階です。前回、前々回の記事をスッキリと読まれた方が、今回のエントリを読む必要はないでしょう。次回以降に、『自己への物語論的接近』という社会学の書籍を参考にしながら、「わたしにとっての物語とはなにか」「わたしとはなにか」を、(認知科学と社会学を接続する形で)考えてみたいと思います。
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