思想と時代状況

2005/2/7, 16:07 by Gen

16:43:46

 われわれは、思想というものはある特定の問題に対する一つの解答であることを、ともすれば忘れがちである。解答命題のみを思想とみて、その命題を生み出したところの問いを不問に付す。あるいは問いを問題にする場合でも、その問いを特定の問題状況における特定の問いとしてよりは、一般的・普遍的な問いとして捉え、この一般的・普遍的な問いにうまく答えたか否かによって、思想の優劣を判定しがちである。

 最先端の思想は過去の思想に優ると考え、最先端の思想をもって過去の思想の不備をあげつらう、いわゆる現在中心主義の歴史観は、問いについてのこのような見方に起因するといってもいいだろう。ポストモダニズムをもってモダニズムの思想を一刀両断に断罪しようとする最近の風潮も現在中心主義の一例である。

 問いと答えの連鎖としての思想史には終わりがない((c)Collingwood)。このことは死ぬまで忘れないでおきたい。

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古典とは

2005/2/4, 16:08 by Gen

22:53:05
 いいかげんBlogを更新しなきゃと思いつつ、テスト中読書発熱により、言葉が出てこない。吸収中は生産できない、そんな人間なのです。もう少しお許しを。そのうちまた言語的下痢症状になるとは思うんだけれども。今日のなるほどフレーズ。

古典とは無限の叡智を収めた図書館であるよりもむしろ、さまざまな方向からやって来ては多様な方向へと流れていく、無数の議論の結節点ないし交差点のようなものである。それゆえに、議論の方向が異なれば同じ古典的理論家も相異なる相貌を呈することになる。

 実在、および「○○とは何か」「○○を成立させている条件(原因)は何か」と問うことを徹底的に拒み続けたルーマンの思想。社会学だけではなく、法学/哲学をやる上でも絶対に読むべし。素晴らしい。

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思想よりも人物

2004/12/28, 16:10 by Gen

23:56:56
 鶴見俊輔という思想家がいる。彼と上野千鶴子と小熊英二の対談『戦争が遺したもの』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788508877/genweb-22/ref=nosim/を読む。いやー、鶴見さんってのは本当にすがすがしい人だ。彼は一つの「こう生きたい」というモデルみたいなものを与えてくれる。「戦時中は日本軍が一番の敵だった、でも日本人は嫌いじゃなかった」という話から始まり、朝鮮戦争、全共闘、べ平連の話へと続いてゆく。まわりのやつが何をしていたが、誰がどんなやつか、そして誰に仁義があるのか。それにしたがって身を振っていくいさぎの良さ。

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